ピーター · レイノルズ
谷川俊太郎 訳
おえかきのじかんが おわった。
でも ワシテは いすに はりついている。
かみは まっしろ。
せんせいは にっこりした。
「なにか しるしを つけてみて。そして どうなるかみてみるの。」
ワシテはマーカーをつかむと かみに ちからいっぱいおしつけた。
「これで どう!」
*にゃんこです。
「この絵本をあなたに」で、温泉さんが私のために選んでくれました。ありがとう*
この絵本を紹介して頂いた当時、子どもに関わる仕事に携わっていたせいか、
印象深く読んだのですが、また読み返してみても新しい発見がありました。
絵は、線描で一見マンガ的ですが、人物の気持ちがよくつたわります。
色の滲みが優しいです。
今回、読み返して、色は、水彩と紅茶を使っていることを知りました。
どこに紅茶を使っているか見るのも面白いですね。
もうひとつ、発見したのは、題名です。
「てん」とひらがな表記になっていて、
初め読んだときなんのことかな?と興味深く絵本を開きました。
そして、「点」なんだ!と思ったのですが、今回、絵本を読み進めるなかで、
訳者の谷川俊太郎は、「転機」の「転」とか「展開」の「展」、
「天賦」の「天」といった意味をふくめてひらがなの「てん」としたのかもなんて
思いました。
「描けない!描きたくない」子が、意欲を持って、自信を持って描いていくのですから………
すべてのおとなに 読んでもらいたい一冊です。
*あなたも 絵本をひらいてみてね~*