矢川澄子 再話
赤羽末吉 画
雪ふかい山里のはなしです。
よ平という、まずしいひとり暮らしの若者がありました。
冬のはじめのある日、よ平が、雪の中帰りをいそいでいますと、
ふいにばさばさという音がして、
どこからか、一羽の鶴がまいおりてきました。
見れば、つばさに矢をうけて、くるしそうにしています。
*私たちが絵本をひらいてみたよ〜*
「裏表紙の絶妙な藍の地色に金色の一羽の鶴にはハッとさせられた」
「『真っ白な白妙の地は紅の色さえ忍ばせて』という美しい表現が悲しすぎる」
「文章全体が格調高いなぁ」
「鶴が飛び去っていく雪空の切れ間に広がる蒼色は、生きていくことは決して哀しみだけではないよと伝えているよう」
「薄茶色のボタ雪はモダン、きっと雪を真っ白に描かないのは深い意味が込められていると思う」
「しっとりと読み伝えていきたい一冊です」
*あなたも絵本をひらいてみてね〜*