瀬田貞二 再話
赤羽末吉 画
むかし、あるところに、びんぼうな じいさんと ばあさんと あったと。
じいさんは、まいにち あみがさをこしらえては、 まちにいって、
それを売って、くらしていたと。
あるとし、おおみそかがきたので、
「ばあさん きょうは、おれ かさを五つもこしらえたから、
まちへいって、しょうがつのもち かってくる。
ことしこさ、いいとしとるべな」
といって でかけていったと。
*私たちが絵本をひらいてみたよ〜*
「『もかもか』という雪の降りかたの表現は、湿度の高い雪にぴったりね」
「見返しのお地蔵さんが、ぼかした墨絵のようでやわらかい」
「『よういさ、よういさ、よういさな』のかけ声が近づいて来る臨場感を作ってるね」
「屏風の『扇面ちらし』を切り取って絵本にしてるみたいだ」
「それでバックが紺色の和紙なのかな?」
「今日は小正月ですね」
*あなたも絵本をひらいてみてね〜*